居候同期とフクザツな恋事情
見ないように。見ないように。
心の中で念じながら、手探りで洗濯バサミでパンツを留める。
そこから先は、なかなか動揺が治らなくて。
パタパタと急いで残りの洗濯物を干して、大慌てで部屋の中に戻った。
ベランダの窓を閉めて振り向くと、私をムダに動揺させてくれた仲林くんが、床の上でごろんと寝返りを打つ。
そのとき、握りしめていたスマホが彼の手から落ちて床にコツンとぶつかった。
その音でもしかしたら目を覚ますかと、少し身構えたけれど。
もちろん、その程度では仲林くんは目を覚さない。
床の上にも関わらず、ぐーすか寝ている仲林くんの顔を恨めしげに見下ろす。
「この次は、絶対干さないからね」
変な動揺でムダに疲れてしまった私は、そのままベッドにダイブした。