居候同期とフクザツな恋事情
◇
「あー、やっぱ布団あると快適だなー」
私よりも2時間あとに帰宅したイオが、届いたばかりの布団の上に寝転がって思いきり腕を伸ばす。
「今日からはよく寝れそう」
「いや。この数日間、布団なんてなくても他人の家でよく寝てたよね」
うつ伏せになって枕に顔を埋めながら足をバタつかせているイオに、皮肉まじりの言葉をかける。
だけどイオは、私の嫌味なんて全く意に介せずといった様子で。機嫌よさそうに一瞬こっちをチラッと見ただけだった。
しかし、1人用とはいえこんなふうに広げられると結構場所を取るな。
私のくつろぎスペースのほとんどはイオの布団によって占領されている。
なんだかなー、と思いながら足元に寝転ぶイオを眺めていると、彼が「あ」と言いながらテレビ台の棚に腕を伸ばした。
「メェちゃん、ゲームするの?」
イオがニヤッと笑って取り出したのは、彼がうちにやって来てから放置されたままになっていたゲーム機だった。