居候同期とフクザツな恋事情
「うん、まぁまぁ。そういえば、イオが来るまで無人島生活にハマってたのに、あんたが来てからすっかり忘れてたわ」
苦笑いを浮かべてそう言ったとき、イオがばっと身体を起こした。
そうして、某レースゲームのソフトが入ったケースを掴んで見せてくる。
「メェちゃん、これやろ。テレビ、繋いでいい?」
「あー、うん」
「何してんの?ここ、座って」
ぼんやり立っていると、にこりと笑ったイオが布団の端にずれて私の分のスペースを作ってくれる。
ここは私の部屋なんだけど、そこに敷かれた布団はイオのものだから。そこに気軽に足を踏み入れるのはなんとなく憚られる。
布団の横に座らせてもらおうかな。
躊躇していたら、にこにこ笑顔のイオが布団を手のひらでポンポンと叩いて早く座るように催促をしてきた。
「じゃあ、失礼します」
「どーぞ」
イオに当たらないように間隔を空けて布団の上に座ると、イオが私を見てひと懐っこくふわっと笑うからドキッとした。