居候同期とフクザツな恋事情
「仕方ない、付き合ってあげるよ」
「ありがとう、メェちゃん。お礼にお菓子奢ってあげるね」
ため息混じりに言ったのに、イオは嬉しそうににこにこ笑う。
もしも万が一永田さんと鉢合わせになるような状況が起きたとして。そのときに私がいたところで果たして役に立つのか、それはかなり謎だけど。
財布とスマホを持って出かける準備を始めたイオが何だか機嫌が良さそうだから、つい私の頬も緩んだ。
「行こ、メェちゃん」
先に準備を終えたイオが、玄関から呼ぶ声がする。
お菓子、奢ってくれるらしいし。スマホだけでいっか。
ベッド脇に置いていたそれをつかむと、私もイオのあとを追いかけた。