居候同期とフクザツな恋事情
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「帰ったら、飲みながらお菓子とプリン食べよーっと」
買い物袋の中にある果実系の甘めのお酒とチョコレートとプリンを覗きながらニヤニヤしながらひとりごとを言っていると、イオくんがすごく残念な子でもみつけたみたいな目で私のことを見てきた。
「チョコレートはまぁ、百歩譲ってありとしても。その酒にプリンは無理だわ」
「いいじゃん。全部好きなんだから」
「ふーん。メェちゃんがいいならいいけど」
苦笑いして前を向くイオの横顔をチラ見しながら、プライベートが残念なのはそっちのくせに、と心の中でつぶやく。
そんなイオの買い物袋の中にはコンビニの唐揚げとビールが2缶入っている。
「週末、何しよっかなー」
「何しよっかなーって。あんた、ちゃんと物件探し始めてる?」
買い物袋を嬉しげにゆらゆら揺すりながら歩くイオの背中に訊ねたら、彼がハタと立ち止まって振り向いた。
暗がりだけど、その顔が引きつっているのがなんとなくわかる。