居候同期とフクザツな恋事情



私に笑いかけたあとすぐに表情をなくしたイオのことが気になって、彼と向かい合うようにしてダイニングの椅子に座る。

カップ麺を啜るイオのことを、頬杖をつきながら無言で眺めていたら、それに気づいた彼が困ったように首を傾げた。


「永田さんのこと、まだそんなにショック?」

なんの前振りもなく訊ねたら、喉を詰まらせたイオが思いきり咳き込んだ。


「な、なに、急に」

「だって、あの日からもう数日経つのに、毎日あまりにもぼーっとしてるから」

「そんなことないと思うけど」

「そんなことあるよ。なに食べてても無表情だし、話しかけても生返事しかしないし。スマホ見つめては、ため息ばっかりついてるよね」

「…………」

「あ、自覚なかった?それはだいぶ重症だ」

ジッとイオの顔を見ると、哀しげに眉尻を下げた彼が目を伏せる。

物憂げなイオの表情からは、なんだかいつもよりも色気みたいなのがダダ漏れていて。

黙っていれば、つい見惚れてしまいそうに綺麗だ。



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