赤い毒は愛の証
「大丈夫だよ。その願いは絶対叶うから」

耳元で囁かれ、雪は顔を赤くする。この時はまだ甘い未来を夢見ていた。



誉の部屋で、雪はのんびりとお喋りをしたり、部屋に置かれたテレビで映画を見たりして過ごした。

「雪……んっ」

「んっ……」

時々唇が触れ合い、雪はふわりと誉に抱き締められる。外ではキスをしたくても人目があるため、こうしてお家デートをするのもいいなと雪は微笑んだ。

「家でデートするとすぐキスできるね」

雪がそう言うと、「そうだね。綺麗な雪を独り占めできる」と誉も言った。そしてサラリと髪に触れられ、キスを落とされる。

「そろそろティータイムにしよう。お茶とお菓子を持ってくるね」

「えっ!?もうそんな時間なの……」

幸せな時間はあっという間だ。雪はもうこんな時間なのと驚き、誉は雪の頭を撫でて部屋を出て行く。

「このまま誉くんとずっと一緒にいたいな……」

一人になってから、雪はポツリと呟く。このまま誰にも邪魔されずに誉と愛し合えたら、と何度も願ってしまう。
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