赤い毒は愛の証
「おまたせ。ミルクティーとタルト・タタンだよ」

誉がおしゃれなトレイに乗せて、おいしそうなミルクティーとタルトを持って来てくれた。

「わあ!おいしそう!」

雪が笑うと誉が「実は昨日俺が作ったんだ」と照れくさそうに笑いながら言う。誉の手作りということに雪は驚いた。

「えっ!?誉くんが作ったの?」

「雪に喜んでもらいたくて。真っ赤なおいしそうなリンゴを使って作ったんだ。食べてくれる?」

「もちろん!いただきます!」

雪はフォークでタルト・タタンを食べ始める。誉の作ってくれたタルト・タタンはまるでケーキ屋に売られているもののようにおいしい。

「おいしい……!誉くんの作ったお菓子が食べれてとても幸せ!」

好きな人の作ってくれたお菓子は特別なものだ。雪は味わいながらまた一口タルト・タタンを口に入れる。その様子を、誉は静かに見守っていた。

「……ッ!?」

しばらく笑顔で食べていた雪だったが、異変を感じて食べることをやめる。その異変は徐々に確かなものに変わっていった。
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