その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―



「り、つ……」

乱れる吐息とともにささやくと、広沢くんが私の上で満足げに微笑む。


「れーこさん、好き」

「ん」

ギュンと胸を鳴らして見つめ返す私の唇に、彼のそれが合わさる。

早朝から広沢くんの熱にすっかり翻弄されてしまった私は、スマホのアラームが起床時刻を告げたことにも。

彼が私を抱きながらこっそりとそれを止めたことにも、全く気付かなかった。



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