その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―





「碓氷。今日から配属されてくる新入社員の受け入れ準備、ちゃんとできてるか?」

朝一で届いていたメール処理をしていると、デスクのそばにやってきた企画部長に声を掛けられた。


「あ、はい。企画部の仕事内容の研修をしたあとは、先輩社員に付いてサポートをしながら、仕事を覚えてもらおうと思ってます」

キーボードを打つ手を止めて立ち上がると、企画部長に説明をする。

うちの会社にも2週間ほど前に新入社員が入ってきた。

しばらく本社で研修を受けていた新人社員たちは、数日前にそれぞれの支店に配属が決まっていて。

今日から配属先での研修を兼ねた勤務が始まる。

うちの支店に配属になった新入社員たちは、午前中は会議室で合同研修を受けていて、午後から各部署へとやってくることになっていた。

企画部に配属された新入社員は、男女ひとりずつだと聞いている。

彼らの指導は、入社4年目を迎えて経験もそれなりに備えている広沢くんと秦野さんに任せようと考えていた。


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