復讐の華

「沙耶が来てから3ヶ月くらいのことだった。飛鳥が、姫を辞めたいと言い出したのは」


來の言葉に私は顔を上げる。そんなこと、日記には書いていなかった。


飛鳥からその話を切り出したなんて…。


「一度引き止めて、その翌日。ある写真が出回った。飛鳥と、別の男が寝てる写真だ」


アイツらは私を襲ったときもカメラを回していた。


水憐が助けに来なければ、私の写真も加工されてばら撒かれていたことだろう。


飛鳥と、同じように。


「無理だった。俺らには飛鳥を信じる余裕が無かった。だから、突き放した…」


信じて貰えなかった元姫は裏切りのレッテルを貼られ、水憐を追い出された。


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