復讐の華

初めて出来た仲間。家族以外の信頼出来る場所。


これまで培ってきた筈の信頼が、あっという間に崩れていくなんて。


全て奪われたとき、どれだけの絶望を味わっただろう。


誰にも救いを求められずに1人苦しんでいた飛鳥は、どれだけ泣いたのだろう…。


「そして華月も見たあの動画で、飛鳥は襲われていたんだと知った。それが全てだ」


話し終えた來は深く息を吐き出した。


突如知らされた新たな事実に、参っているようだった。


「飛鳥さんは、姫を辞めたあとどうなったの?」


「分からない。いつの間にか、いなくなっていた」


風に当たってくると言って立ち上がった來の顔は、やっぱり疲れて見えた。もしかして2日間、眠れなかったとか。


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