復讐の華

こんなにも水憐に溶け込めて、嬉しくない筈がなかった。


伊織が警戒してるのもある意味その証拠か。私が水憐に何かしらの影響を与えそうと何処かで感じているから、こんなに突っかかるんでしょう?


「本当に姫になるのか?」


「そのつもりだよ」


「お前は俺たちの、味方か?」


探るように私を見る。彼の方が身長が高いのだから当たり前に私を見下ろす形になるのだけど、何故か下から見つめられているような気がした。


味方か敵かと聞かれたら、復讐を考えている時点で彼らにとっては敵なのだろう。


あの子のことを見捨てたのがどんな奴らなのか、どうして突き放したのか。私はそれが知りたかった。


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