復讐の華
これは私にとっての、正義だった。
「あなたたちが私を信じてくれるのなら、私も信じる」
この言葉の意味を考えているのか、少しの間伊織は黙った。
次に顔を上げたときはもう、私を追求する目ではなかった。
「このネックレス…」
まずい、忘れてた。飛鳥がこれを付けていたことを知らないと決まったわけじゃないんだ。
次の言葉を緊張して待つ。それによってはこれからの道筋が大きく変わってしまうから。
「チェーン切れてたぞ」
口にされたそれは疑いの言葉ではなかった。無意識に強く握り締めていた拳から力が抜ける。
伊織はネックレスを私の手のひらに乗せた。
いつもの重み。赤く光る石。私と飛鳥の、思い出。