復讐の華
そんなことを思ってしまう自分が嫌だった。
飛鳥に酷いことをしたこの人たちを許せなくて、私はここに来たのに。
彼らといる時間を楽しいと思っているなんて、そんなの飛鳥に対する1番の仕打ちじゃないか。
この人たちは私の仇。それ以外の感情は持ってはいけない。
感情なんて抱いたって良いことは無い。復讐の実行に邪魔になるだけだ。
私は彼らといる時間が楽しいのではない。着々と計画が進んでいるから、嬉しいんだ。
そう、地表に芽を伸ばしかけた思いをもう二度と生えてこないように踏み潰した。
「…ナ、ハナ?」
頭の中で考え込んでいて周りの音が聞こえていなかった私の名前を美穂が呼んでいた。