復讐の華
朝、1人で登校していると寂しさを感じる。
いつも隣には人がいた。笑い合って、沢山のことを話した登下校の道。
そんなに昔のことでは無いはずなのに、酷く懐かしい。
梅雨のジメジメとした雰囲気が寂しさを助長させているのかもしれない。
私に傘を渡してくれるあの子はもういないのだと、知らされている気分だった。
教室に入ると不自然なくらいの笑顔で私を出迎える女子たち。
美穂、まだ来てないのか。美穂がいたら女子たちもサッと居なくなるんだけど。
鬱陶しくまとわりついてくる女子たちから離れる為に私は屋上へ向かった。
朝から彼らがいることは無いから、この広い場所に私だけ。
姫になって唯一良かったと思える点だった。