復讐の華

「華月、俺と賭けをしないか?」


「賭け?」


急に言い出したかと思えば、何の話?


意味不明な誘いに首を傾げる。


「そう。対抗戦で優勝したら華月が俺の言うことを1つ聞く。負けたら俺が華月の言うことを聞く。どうだ?」


言葉の意味を理解しようと必死に頭を働かせる。


一体、何の為に?と、そんなことを聞くのは野暮だろうか。


「それ私の方が有利だけど、いいの?」


彼が賭けに勝つ方法は、優勝するのみ。


対して私は彼が1度でも負ければ勝ちということになる。


つまりこれは私と來の勝負というより、彼対水憐といっても相違はない。


「俺は構わない」


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