復讐の華
…飛鳥は、私だけでは足りなかったのだろうか。
飛鳥を大切に思っているのが私1人では、心に空いた穴を満たすことが出来なかったのだろうか。
分かってる。そんな単純な話じゃないってことは。
だけど、何にも言わずに私の前から消えてしまって、寂しかった。
残された私は飛鳥との記憶に縋ることしか出来ないのに。
どうして私を置いて居なくなったの。
飛鳥を捨てた彼らと同じくらい、私は貴方を恨まずにはいられない…。
「ハナ」
ラウンジの窓際の席に座っていた私を呼ぶ声が聞こえた。
ここは、現実だ。飛鳥がいない世界。
交わる筈の無かった彼らと私が繋がってしまった、巻き戻しようのないリアル。