復讐の華
4連勝って、そんなの聞いてないよ。
だからあんな賭けを提案してきたんだ。条件的には自分が不利だとしても、負ける気がしないから。
道理で自信満々だと思った。軽率に受け入れるべき賭けじゃなかったな。
「どうした?」
青になっても足を動かさない私を振り返って見る。
「伊織、頑張って。絶対優勝してね」
來が5連覇してしまっては私の目論見が台無しだ。
その為には誰かにそれを阻止してもらわなければ。
彼らの強さの序列はよく知らないけれど、おそらく最後は幹部同士の戦いになるだろう。
真剣な面持ちで頼んだ私に彼は不思議そうな視線を向ける。
私の本気が伝わったのか、戸惑いながらもその首を縦に振った。