復讐の華
この応援が純粋な気持ちではなかったからか、惜しくも伊織対來の試合は、來に軍配が上がった。
続けて晟也対瞬の試合が始まる。晟也の方が身長が高いけれど、身体がよりガッチリしているのは瞬だ。
隣に座る美穂が胸の前で手を組んで見守る。
だけどそんな祈りも虚しく散り、意外とはやく決着がついた。美穂が項垂れる。リングに立っていたのは、晟也だった。
運命の決勝戦は、來と晟也。
試合を終えた伊織と瞬が2階に戻って来る。
倉庫内に緊張感が漂っていた。もっとワーワー叫んで盛り上がると思っていたけど、異様な静寂が皆んなを締め付ける。
決勝戦だから、なのだろうか。
リングに立つ來と晟也はお互い向き合っていた。