復讐の華

最初は大人っぽい子だと思ったのに、無邪気というか、明るいというか。


きっと素直で良い子なんだと思う。


普通に出会っていたら、良い友達になれていたかもしれない。


こんなことを思っている時点で非情になりきれていない証拠だ。


この復讐を遂げると決意したとき、自分を捨てると決めたじゃないか。


あのときの気持ちを忘れてはいけない。


私だけは、絶対に忘れてはいけないんだ。


「美穂、チャイム鳴るよ」


上出来過ぎる昼休みだった。


屋上を出て行く私たちを、彼らは座ったまま見送る。


授業はサボる気なんだろう。


どうやらこの学校は点数さえ取れば良いらしい。

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