復讐の華
「えー、來のこと良いなって思ったことないの?」
疼いた心の奥底の何かには知らないフリをする。
「…來は、前の姫のことがまだ好きなんじゃないかな」
むしろそうであってくれれば、少しは救われるのに。
ふと思い浮かんだその考えをすぐに打ち消した。
最低だ、私。自分のことしか考えていなかった。飛鳥がどんな思いでこの世を去ったのか、私だけは寄り添っていたいと、そう思っていたのに。
自分だけが救われる道を選ぼうとしていた。
「前の姫って、飛鳥のこと?それはどうかなぁ、あの2人あんまり上手くいってるようには見えなかったけど」
そういえば、そんなこと言ってたっけ。