復讐の華

寄り添われるほど自分が浅ましく感じて、どうしようも無く苛立って。


眠りについたって何も変わらない現実。


叶うことなら、あの平和だった時に戻りたい。


飛鳥がいて、紘斗がいて。それだけで幸せだった。


そんな望みが叶う訳ないと知りながらも、私は手を伸ばさずにはいられなかった。


◇◇


放課後のLL教室、私はまた此処で美波と会っていた。


余計な疑いを生ませない為に、私たちはこうやってコソコソと会うしかなかった。


「今日は聞きたいことがあって」


あれから美波は落ち着きを取り戻して、私を慕うようになった。同じ悲しみを味わった人間にシンパシーを感じているのか。


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