復讐の華
◇◇
倉庫に移動し、幹部室に入ると既に伊織がそこにいた。
対抗戦以来の水憐。正直來と2人きりにならなかったことに安心する。
最近、來のバイクの後ろに乗るときに今までとは違う種類の緊張を感じていることは、きっと誰も知らない。
「で、さっきの女は何なんだ?」
ソファーに座り、その長い足を優雅に組んだ來が私に尋ねる。
いきなり始められた会話に伊織も顔を上げた。
「晟也の…、遊び相手?」
一体なんと説明すればいいのか分からず、悩みながら答える。
だけど彼らには簡単に伝わったようだ。
「それで何で華月が絡まれるんだよ」
「ハナ、何かされたのか?」
1人状況を把握していない伊織が私を心配する。