復讐の華
妙に落ち着いていて、何でもない日なのに急にそんなことを言うなんてどうしたんだと思ったものだ。
この声を忘れたくなくても、絶対にいつかは忘れてしまう時がくる。
だからその前に、この痛みを忘れる前に。私は、復讐を遂げるんだ。
「ハナ?」
周りの音なんて聞こえずに頭の中でグルグルと考えていた私の耳に、美穂の声が入ってきた。
ハッとして顔を上げると、不思議そうに顔を覗き込む美穂と目が合う。
教壇には既に先生の姿は無くて、ボーッとしているうちに授業も終わってしまったようだ。
「険しい顔してたけど、大丈夫?」
「そうだった?大丈夫、何もないよ」
もっと、気を引き締めないと。