復讐の華

ここで黙っている理由はない、か。


私は昨日起こった出来事を2人に話した。




「アイツ何で華月を巻き込むんだよ」


來がウザったそうに言う文句に激しく同感だ。


首を縦に振りたくなる衝動を必死に抑える。


「最近また女遊び激しくなったもんな」


あの妖艶な女性と親しげに歩いていた現場を一緒に目撃した伊織は納得したように言った。


「そういえば前にも酷いときあったよな。あの時はなんで……、ああ」


思い出した記憶を頭の中で自己完結させた來は、そのまま口を噤んでしまった。


伊織も心当たりがあるのか、苦い顔をしている。


私だけがさっぱり分かっていないみたいだ。


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