復讐の華

上手く立ち回って信頼を得るんだ。


水憐の倉庫に出入り出来る大きなチャンスを無駄には出来ない。


「瞬たち待ってるから、行こ」


何もないと言う私の言葉をすんなり受け入れて、明るく笑って私の手を引いた。


律儀にも校門の前で私たちのことを待っていた幹部たち三人。


その中に伊織はいない。


こうして改めて見ると…ガラ悪いな。


これから私が足を踏み入れる世界はこういう所なんだ。


平気で人を傷付けて、それが仲間の為だとか何だとか言って。


仲間以外はすぐに切り捨てる。


勿論それは私も例外ではないだろう。


いや、まだ仲間ですらない私はヘマをしたらもっと酷い目に合う。

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