復讐の華
この場に及んで身震いしそうになった。
來の気怠げな視線が私の本性を透かして見ているような気さえしてくる。
一直線に彼らのところへ向かう私たちを、少し離れた場所から他の生徒たちが不躾に見ていた。
なるほど、これは確かに美穂に友達が出来ないのも分かる。
水憐メンバーの彼女になりたい女生徒にとっては、それに近付く女は敵でしかないんだ。
「華月は俺の後ろに乗れよ」
そんな敵意のこもった視線を受けながらようやく來たちの元へ辿り着いた。
彼らの後ろにはバイクがあって、それで登下校しているみたいだ。
拒否なんてさせない口調で來が言う。
「えー俺が乗せようと思ってたのに」
不満そうに晟也が口を尖らせた。