復讐の華
1階に踏み下りると同時に、來が膝を付いた。
晟也も伊織も瞬も、とてもこれ以上戦える状態では無かった。
あとは私が、トドメを刺すだけ。
私は彼らの背後からゆっくりと近付く。
ここまで長い道のりだった。復讐をすると決めた日から私と紘斗は気を休める暇もなく、ずっとそれだけを考えてきた。
ついにその瞬間が目前まで迫っているのだ。
ドクンドクンと、自分の心臓の音しか聞こえなかった。一歩足を踏み出す度にその振動が反響して頭まで伝わる。
自分がどのように体を動かしているか分からなくなる感覚。だけどこの足は少しずつ、彼らとの距離を縮めていた。