復讐の華

怪訝な顔をする私に、來が言葉を続けた。


「俺と飛鳥はそんな関係じゃなかった。ここに書いてあるだろ、いくら体を重ねてもって。その相手は俺じゃない」


すぐには理解が出来なかった。


想像さえもしていなかった新たな事実に口塞がる。


つまり飛鳥と関係を持っていたのは恋人である來ではない、他の男ってこと…?


そんなこと有り得るの?しかも、飛鳥が?


ああ、目眩がする。彼の言っていることは到底信じられなかった。


だけど絶対に嘘だと突っぱねることも出来ない。


「それが本当だとしたら一体誰が…」


無意識に見回した倉庫内。別に、水憐のメンバーを疑っているわけじゃなかった。


< 263 / 312 >

この作品をシェア

pagetop