復讐の華
だけど。
蒼白な顔をしながら、私と目が合った瞬間に顔を強ばらせた1人のメンバーがいた。
動揺したように後退りをした彼の足が転がっていた空き缶に触れ、カランと軽い音が鳴る。
何だ?何かが引っ掛かる。
彼と目を合わせたまま、微かに感じた違和感の正体を探っていた。
走馬灯のように駆け巡る記憶。
飛鳥の日記に登場していた深い関係の男は、來じゃなかった。來の言う通り、あの2人は上手くいっていなかったということか。
それなら、美波が飛鳥から聞いていた惚気は來のことじゃなく。この日記の男だったということになる。
そういえば飛鳥の裏切りが仕組まれていたことだと水憐が知ったとき、1番に感情を乱していたのは、彼だった。