復讐の華
初めから、私の望みはそれだったのに。
単に私が裏切り者だったと白状するよりもずっと深く、彼らに傷を追わせることが出来たのだからそれで良いじゃない。
それなのに、私がこんなに感情を揺さぶられるのは何故?
いつの間にか私は飛鳥を理想化していて、可憐で純粋だったあの子のままだと思っていた。
だからなの?私は、変わってしまった飛鳥が許せないの?
…本当に、それだけ?
脳裏に焼き付くのは彼の顔。
突き付けられた裏切りに顔を歪める來。その視線の先に、あの頃の飛鳥を重ねていた。
私を見ることは無かったその瞳。
來に愛されていながら他の者を欲したあの子に、私も裏切られたような気になっていた。