復讐の華
私の為に落ち着いていてくれるのだ。
彼だって飛鳥のことを大切に思っていた。私と同じくらい飛鳥の死を、悲しんでいた。
「私、飛鳥のことなら何でも受け入れられると思ってた。というか多分、私たちの間には隠し事がないと思ってたんだ」
紘斗が一つ頷く。
「でも、飛鳥が來を裏切っていたと知って…私は飛鳥に怒りを覚えた。ずっと水憐を恨んできたけど、その水憐を弄んでいた飛鳥にも私は嫌な感情を抱いてしまった。そんな自分が、信じられなかった」
最終的に飛鳥を水憐から追い出したのは総長である來なのだから、浮気されていた彼を笑うことが出来たら良かったのに。
ざまあみろと思うよりも先に、衝撃が脳を突き抜けて。私は來の顔に釘付けになっていた。