復讐の華
何故か謝る紘斗は、背中に回した手で私の頭を撫でた。
それが余計に私の涙を誘う。ずっと一緒に戦ってきた彼の掌は温かくて、私を赦してくれているかのようだった。
「飛鳥の為にずっと、気持ちを押し殺してた?」
「そうじゃない。彼らと、私は…交じりあってはいけないの」
「飛鳥が傷付けられたから?」
「そうだよ」
さっきから彼は、何を言いたいのだろうか。
静かに、何かを教えるように言葉を綴る。
「じゃあ華月の幸せは?」
「え?」
紘斗は体を離して、私の目を真っ直ぐに見た。少し眉が下がって、寂しげな目だった。
私の、幸せ?
そんなもの、考えたことも無かった。