復讐の華

友達を待ってる、と言う前に腰を押され、強制的に歩かされる。


私にピッタリとくっついて、まるで逃げ道を無くすようなそれに違和感を覚えながらも彼らの言う通りに足を進めるしか無かった。


「あれ、華月?」


コンビニから出て来た美波が、知らない人と歩き出している私の後ろ姿に戸惑ったように声を上げる。


「ごめん美波、用事が出来たから、また明日ね」


私を囲う彼らを見て、不安げに瞳を揺らす。それもそうだ。明らかにこの男たちは不良で、いくら水憐メンバーを見慣れているといってもガラが悪すぎる。


そんな男たちの中に1人で女がいたら脅されているように見えるだろう。


私としても彼らに美波を近付けさせたくなかった。だから黙って彼らに付いて行く道を選んだのに。


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