復讐の華
「紘斗なら、いないよ」
ニヤリという表現が当てはまる笑みで、私に近寄ってくる。
嵌められたーーー?やっぱりあのタイミングの良さは、私を尾けていた?
「どうして私を連れて来たの?」
絶望的なこの状況。その返事次第では、私は無傷では帰れないかもしれない。
一人の男が私の隣に腰掛け、馴れ馴れしく肩に手を回す。
「紘斗に頼んでも全然連れて来てくんねーし。お前らに協力した見返りを払ってもらわないと」
紘斗が私の家に来たときも何も言ってなかったのに。私に心配をかけまいと黙っていたのか。
「見返り?」
「悪いようにはしねーよ。一緒に楽しもーぜ」
そう言うや否や私の顎に手をかけた男が顔を近づけ、咄嗟のことに動けなかった私の唇を塞いだ。