復讐の華
まずい、この状況は危な過ぎる。ガタイの良い男4人相手に、私が対抗出来る筈がない。
事実、相手の肩をどれだけ押してもビクともしない。むしろ他の男に手を取られて、良い玩具だ。
血の気が引くってこういう事だと身に染みて思い知らされた。
「やめてっ」
小谷沙耶が私を男たちに襲わせたときとは訳が違う。
あのときはそれが予測出来ていたから紘斗に手回しをしていたけど、今回はまるで予想外。
しかも大声を出したところで、こんな裏路地の先に誰かが助けに来てくれるとも思えない。
「諦めなよ。楽しんじゃった方が楽だよ?」
きっと罰が当たったんだ。復讐に囚われて、沢山の人を騙した罰。
いくら復讐という盾を引っさげたって、傷付けた人がいる以上私は罪を犯したのだ。