復讐の華
伊織が私の顔を訝しげにジッと見た。
かと思えば聞いてきたのは彼なのに興味なさそうに再び携帯に見入る。
確かに部外者は私だけど。もう少し場の雰囲気ってものを考えられないのか。
晟也は伊織の態度など見慣れているように気にせずに私に話を振り続けた。
その会話に美穂と瞬も混じって、盛り上がっていたとき。
幹部以外は基本的に立ち入らないこの部屋の扉が開いた。
風に乗って甘い香りが漂う。
ふわふわの髪と、白い肌の女の子。
彼女は私の姿を捉えた瞬間、笑顔が一瞬消えた。だけどすぐに可愛らしい笑みを浮かべて見せる。
「だあれ?その子」
小首を傾げて誰ともなく尋ねた。