復讐の華
あのときは男たちの手がいくら身体をまさぐっても復讐遂行の為だと、心を無にして我慢が出来た。
だけど、あのときとは何もかもが違う。
「っ來…!」
自分の口からついて出た叫びに、1番驚いたのも自分だった。
彼が助けに来てくれるなんてこと有り得ないのに、愚かな私はそれを望んでいた。
彼が私に与える優しさを知ってしまったから。彼に触れられる熱さを知ってしまったから。それ以外のものなんて不快でしか無い。
「だから〜、誰も助けに来る訳ないって」
呆れたように薄く笑って、1人の男が私の上に跨った。
恐怖に意識せずとも震える体。ギュッと結んだ唇からは血の味がした。