復讐の華

「また俺らにやられたいの?」


馬鹿にしたように言われるそれに、來の目に怒りが滲むのが分かる。


「華月を酷い目に合わせたお前らを許さない」


「はっ、お前らに俺らが倒せる訳ないだろ」


彼らの間にはバチバチと火の粉が散っていた。


來が勢いを付けて彼らに殴り掛かる。不意を付かれた男はモロにその拳を受けた。


それを皮切りに激しい喧嘩が始まった。


こんなに間近で見ることってなかったから、ぶつかり合う音や、勢いの凄まじさに体が震える。


この前のこともあり、男たちが圧倒的に勝つかと思いきや、今日はその通りでなかった。


4対2なのに持ち堪えている。いや、男たちも段々と疲弊してきている。


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