復讐の華
それなのにどうして、私を助けにーーー?
「華月は、水憐の仲間だ」
確かな声でそう言った次の瞬間には、大人数がこの建物の中になだれ込んできて。
この大して広くない室内でこれだけの人数が集まれば、思うように身動きが取れない。
男たちは水憐に四方を囲まれ、次々と手足を拘束された。
やっぱりあのときよりも皆んな、強くなっている気がする。
「華月、大丈夫か?」
來が急いで私の元へ駆けつけて、縛られている手の縄を解いた。
安心か、嬉しさか、色んな感情がこもった涙が私の頬を流れる。
來の優しい瞳が私を見ている。それだけで全てが洗われたような、今までの葛藤が取り払われたような、そんな感覚だった。