復讐の華

ふざけ口調でそう言う一人のメンバーに、隣の男が救いもなくバッサリと切り捨てる。


それに私はアハハと空笑いを返しながら、彼のセリフに引っかかった。


「…私、來の彼女じゃないよ?」


メンバーが意外そうに目を見開く。


「え、そうなんすか?」


「小谷沙耶が彼女じゃないの?」


來の二人目の女になんてなりたくなかった。


しかも、あの女の次だなんて。


「沙耶さんって…、彼女なのか?」


お互いに顔を見渡す。即答出来ないほど二人の関係は曖昧なのか。


それならどうして彼女は水憐の姫で。当たり前のように來の隣に座っていられるんだ。


「…でも、そうだろ。あの人より沙耶さんを選んだんだから」

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