復讐の華
一人が考えた素振りを見せた後、そう返した。
意味深な答え。
私が欲しい糸に触れそうな、そんな懐疑。
「あの人って?」
私は婉曲的に言うことはせずに、彼らに聞いていた。
彼らの認識がどんなものであるか知っておきたかった。
だけど少しそれに近付こうとすると途端に目が泳ぐ。
「バカ、余計なこと言うなよ」
あの人、というワードを口にした男が隣から叩かれる。
余計なこと、か。
水憐にとってアレはその程度で、それと共に今もタブーな存在。
取り繕うような笑顔を浮かべる彼らにこれ以上のことは聞けそうにない。
確かにソノ存在が水憐に有った。ということを見ることが出来たから今日のところは良いか。