復讐の華

「そういうことがあったの?」


昨日触れかけた糸が、またここに伸びている気がした。


「クラスメートだったんだけど、小谷沙耶と同じ時期に水憐の姫になった子がいて。でもその子は姫から降ろされた」


あのときのことを知る人。騙されてしまった人。


「小谷沙耶に何かされたってこと?」


そう聞くと彼女は険しい表情で首を横に振った。


來に近付く女を排除する為なら何だってするって話、このことじゃないのか。


まあ來目当ての女は何十人といそうだからその度に、ということか。


「確証はないの。小谷沙耶とは学校も違うし、水憐の中までのことは知らないから。だけど私はアイツの仕業なんじゃないかって思う」

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