復讐の華

伊織がいないこの幹部室で、五人で仲良く話していたとき。


ニコニコとした笑顔を纏った偽りのプリンセスが遅れてやってきた。


私を視界に入れた瞬間、ご機嫌な顔から表情が消えて行く。


昨日の今日で私が居ると思っていなかったのか、私が來の隣に座っているからか。それともその両方か。


仮にも可愛い姫として通っているのに、そんな顔を皆んなに晒していいの?


「なんで…その子がそこに?」


怒りを含んだ声で、それでもまだ理性は残っているのか必死に笑顔を作ろうとしている。


それが余計にぎこちなかった。


「華月のことか?別に何処に座ったっていいだろ」


私を別の場所に移動させることもせず。ただ淡々とそう言う。

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