復讐の華
「学校のときは俺が迎えに来るから」
家の前で來に一方的にそう言われ、車はすぐに去って行った。
まだ痛む手首を動かし、携帯を取り出す。
あの人に電話をかけるとすぐに繋がった。
「後は手筈通りによろしくね」
「ああ、それは問題ない。それより華月…、大丈夫か?」
私を心配する声。何をされたかきっと分かっているから。
「…覚悟してたことだから」
そのまま電話を切った。
今更彼に、自分に甘える訳にはいかない。
やっとこれで復讐への第1歩を進めたのだ。
その為ならこんな体、どうでも良かった。
あの子がいなくなった世界は、私にとって無に等しいのだから。