復讐の華

考えただけで興奮に胸が震え上がる。


思わず上がった口角に來は気付いていない。


「大丈夫。私は…」


足を止めた私に、彼が振り返った。


「來が隣にいてくれれば、強くなれる」


あの子は強くなりたがっていた。彼らに釣り合う人間になりたいと。


皮肉にも、その彼らに裏切られた訳だけど。


私たちには最も似合わない青空の下で2人、何かに囚われたように重ねた瞳を逸らすことが出来なかった。


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