復讐の華

「何で…そんな、酷いこと言うの?」


これがリアルだと信じたくないように、必死に笑ってみせる彼女は滑稽だった。


全て自分が引き起こした結末なのに。


自分がやってきたこと、どうして自分はそうならないと勘違いしてしまったの?


人を呪わば穴二つ。あの子を追い出した罪の代償を、あなたは払わなければいけない。


「華月を襲わせたのはお前だろ。本当のことを言ってくれよ…!」


「どうしてその子のことばっかり構うの?水憐の姫は私よ!?」


小谷沙耶は叫んだ。もう可愛い子ぶる余裕もないようだった。


「俺が華月のことを気にかけるから、恨んだのか?」


「…そうよ!その女が悪いのよ!私の來を誑かすから!」


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