復讐の華
あ、と皆んなが思った。小谷沙耶は自ら自分の首を絞めてしまった。
それに気が付いていないのか、興奮に荒く息を吐く。
「…最低だな。もう水憐の姫を名乗らないでくれ」
來の言葉が無情に小谷沙耶の心を砕いた。
独占欲の赴くまま、気に入らない人を排除しようとした女と。
仮にも仲間だった人を、簡単に切り捨てる男。
種類は違えどどちらも最低だと思うのは、私が彼を恨んでいるからだろうか。
「冗談でしょ?來が私を追い出せる訳ないもの」
「お前の親の会社、事業が上手くいってないんだろ?うちの会社との取引もやめることになったらしい。だからもうお前に気を遣う必要はないんだよ」