復讐の華
たとえその愛が永遠でないとしても、結末はこれほど悲惨ではない筈だ。
愛されるべきは小谷沙耶などではなく。可憐で純粋な、あの子だったのに…。
「沙耶のことも、姫として迎え入れるしか無かった。それでも2人は仲良くやってるように見えていた」
少し早口になった來は私と同じように、何も出来なかった自分を悔いているように見えた。
「だんだん飛鳥は倉庫に来なくなった。少しずつ、俺たちと距離を置くようになったんだ」
今なら分かるだろう。それは小谷沙耶が仕向けたことだと。
だけど愚かで、呑気だった私たちは何の異変にも気付かずに。
その終わりに泣くことしか出来なかった。